2023/02/07 10:39

初めに~コンビーフの歴史~

沖縄料理の定番の一つである、コンビーフハッシュを使った料理は家庭料理のほか、琉球料理店などでも扱われるくらい人気があります。コンビーフハッシュもコンビーフと同じカテゴリーです。
では、そのコンビーフの歴史から説明しましょう。 

コンビーフは牛肉を塩漬けにした保存食で、その歴史は明治8(1875)年にまでさかのぼります。当時の日本の食品製造技術では缶詰はまだ活用できる状態ではなく、瓶詰めで商品を入れていた時代でした。なお、コンビーフそのものは和製英語であり、海外でコンビーフと発言しても通じません。アメリカでは「コーンドビーフ」(Corned Beef)と発音するからです。

コンビーフは戦後、一般的に普及していきます。それは、第二次世界大戦後の日本の話です。
戦後の日本にとって不足していたのは食料でした。当然ながら食料品の確保をするとしても、今のようにスーパーなどで買い物するのではなく配給制でしたので、入手量は当然ながら限られていました。特に深刻なのは農作物で、都会の駅から地方まで列車などを使って農家のところへ行っては、物々交換をするしかなかったのです。その位、食料事情は悪化していたのです。

食糧事情が悪化している中、牛肉を塩漬けにしたコンビーフを製造し発売したのは昭和23(1948)年、野崎産業(現・川商フーズ)がノザキのコンビーフというブランド名で発売し、本土でいうコンビーフを象徴しています。では、沖縄の場合はどうなのでしょうか?

戦後の沖縄は本土同様、食糧不足に悩まされていました。米軍統治下だった時に米軍からの物資として入荷したのがコンビーフでした。ですが、米軍がもたらしたコンビーフそのものは本土のものとは違っていました。亜米利加のコンビーフとは何だったのでしょうか。

コンビーフハッシュ

米軍がもたらしたコンビーフは、本土のコンビーフとは違っていたのは前述の通りです。沖縄へ上陸したコンビーフそのものは、コンビーフのほかポテトとブレンドをしたものでした。このブレンドされたコンビーフこそ、コンビーフハッシュです。ちなみにアメリカではコンビーフハッシュそのものが、通常の食品として扱っているからです。

コンビーフハッシュそのものは沖縄へ上陸・生産され、缶詰の特徴である長期保存がしやすい事を活かしています。というのも、沖縄は台風の上陸が本土より多く、缶詰で販売されているので非常食的役割をも果たしています。台風で停電になってしまった時には、火さえ使えれば調理がしやすいという強みを活かせるからです。それ故に緊急時における食事の一つとして活用でき、それ以外の時にも一般的な沖縄料理として使えますので汎用性は高いものとなります。

現在はホーメル(現・沖縄ホーメル)とオキハム(=沖縄ハム総合食品)の二社で製造されています。

コンビーフハッシュを使った料理

コンビーフハッシュを使った料理をいくつか紹介していきます。
まずは卵焼きとの組み合わせを紹介します。最初は、卵を割ってから溶き卵として作っておきます。その後、フライパンに油をひいてから軽く温めておきます。次は溶き卵をフライパンに入れてから中火で焼いておきます。
ある程度焼いたら、裏面にひっくり返してから卵焼きを完成させます。完成したらお皿に乗せましょう。フライパンの上にコンビーフハッシュを入れてから炒めておきます。
前もって焼いておいた卵焼きの上に、コンビーフハッシュを入れてから卵焼きを丸め、食べやすい大きさに分けながら包丁でカットするだけで完成です。

余談ですが、溶き卵をフライパンに乗せてから少し焼いてからコンビーフハッシュをフライパンの上にのせておきます。その後は、箸等でコンビーフハッシュと卵をほぐすような感覚で炒める事も出来ます。料理としては、手軽に作れる料理ですね。

次は野菜炒めです。まずはキャベツをざっくりとカットしてください。カットの際は大まかで構いません。包丁でカットするのが理想ですが、手で豪快にカットしても差し支えはないといってもいいでしょう。このやり方は、キャンプなどで焼きそばを作る時にも活用は出来ます。

ざっくりと大まかにカットしたキャベツを、予め油を引いたフライパンの上で炒めておきます。紹介例はキャベツのみですが、好みによっては玉ねぎやニンジン、もやしなどを入れてもかまいません。
野菜をある程度炒めたら、コンビーフハッシュをフライパンに入れてさらに炒めておきます。

次は、ゴーヤーチャンプルーとしての料理を紹介します。まずは、予め処理しておいたゴーヤーを約5ミリ程度にカットします。次に、木綿豆腐を食べやすい大きさにカットしてからコンビーフハッシュと一緒にフライパンに入れてから簡単に炒めておきます。次に、ゴーヤーと溶き卵をフライパンに入れ、簡単に混ぜ合わせをすればOKです。

■商品紹介:コンビーフ